日々平穏 the trace of life’s diary

趣味についてのブログです

【映画】霊幻道士

このブログ作るにあたって、何を置いても紹介すると決めていたのがこの
霊幻道士」だ。

なぜか昔からキョンシー映画が大好きで、何が好きで見てるのかすら自分で解らないけどいまだにたまに観ていて、嫁から白い目で見られてる。

 

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霊幻道士


霊幻道士
サモ・ハン・キンポー制作のこの作品は恐らくキョンシー映画で最も有名であると言えるでしょう。
因みにあの有名なキョンシーの格好はサモ・ハン・キンポー制作、主演の映画
「鬼打鬼」が初出となる。これも当然観たのでいずれは紹介したい。

 

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鬼打鬼

 

そもそも日本でのキョンシーという名称はこの霊幻道士命名されたものであるので初代キョンシー映画と言って良いでしょう。

道士といえばこの人、林正英(ラム・チェンイン)
1997年に44歳の若さで肝臓癌でお亡くなりになっています。
訃報を聞いたときはっきり言って泣いたね。
ブルース・リーにその才能を見いだされ、スタントから武術指導までブルース・リーから非常に大きな信頼を得ていたとの事。
その後サモ・ハン・キンポーのスタントチーム「洪家班」に加わり役者としても活躍し、この「霊幻道士」で一躍人気を博し、数々の映画に出演しました。
また本人もブルース・リーの弟子ということから詠春拳截拳道の達人であったとされています。
日本に来てるものはかなりの数観たとは思いますがいずれは未視聴のものを観ていきたい。
好きな中国人俳優で確実に五本の指に入れてしまう役者さんです。

このままラム氏の話をし続けても良いんだけど話を戻して「霊幻道士」の話をしよう。
実は俺がキョンシー映画で観た作品だとこれは三作品目にあたる。
なんでそんな事を覚えてるかというと、
当時キョンシーブームでテレビでもガンガン放送していたのだが我が家にVHSで保存されていたのは「幽幻道士2」、「霊幻道士2」の二本だったので最初に観たのは幽幻でしかもどっちも2という。

その頃から夢中になって何度も繰り返し観てきたのだが2ということは1があるに違いないと親にねだり、レンタルビデオ店でレンタルをしたのがこの作品となる。
なので三作品目のキョンシー映画というのは間違いないのだ。
ちなみに当時幼稚園児だった。

さて「霊幻道士
この作品は初代キョンシー映画なのにその後に数多作られるキョンシー映画と比べても完成度は極めて高い。

まず導入部が凄い。
棺とキョンシーが並んだ霊廟から始まり、弟子モンチョイがその手入れをしている。
キョンシーがゆらゆら動いているのを見て供えられている火を長くしたり、線香を夕飯として供えたり、骸骨に食べられたりとそう在ることが当たり前であるかのように様々な怪異が立て続けに起こっている。
その後でもう一人の弟子チュウサムが悪戯でキョンシーの真似をして、本物のキョンシーが動き出してしまう。
その暴走を師匠であるガウ道士と弟分の道士が治めにくる。

流れるように
「怪異が存在することが当たり前」
キョンシーは札がはずれると動き出す」
キョンシーの独特の動き」
キョンシーを制する道士がいる」
キョンシーを制する術は色々ある(鏡に弱い、血を額にあてると動きを止めるなど)」
といったことを開幕五分程度で済ませてしまう。

どんな映画なんだろうと探り探り観る必要がなく一発でこの霊幻道士の世界観に引きずり込まれる。

場面は移り、チェン道士は富豪ヤンに父親の墓を移す相談を受け、墓を掘り返すと父親の遺体は全く腐っていなかった。
強欲なヤンの父親は無茶な地上げで占い師の恨みを買っていて、間違った埋葬のされ方をしていた。
悪い気が溜まっていてこの遺体はキョンシーになるだろうとチェン道士は心配し、遺体を引き取ることにした。
しかし弟子の誤った処置により結局キョンシーとして蘇ってしまう……。

弟子がかなりアホという事は冒頭でわかってるし、こうなることは予定調和なんだけどその予定調和をきっちりと伝えられてる点でもキョンシー映画の中では優れていると言える。
この棺を掘り出す場面では墓地を騒がせてしまったお詫びに線香を供え、若くして亡くなった女性に同情し、チュウサムが女幽霊に好かれてしまうといった伏線も同時に張っている。
こんなに丁寧でテンポ良く話が進むって凄いことなんだよ、キョンシー映画では。

全体的にもホラー、コメディ、バトルのバランスが良い感じだし、何度観ても感心する。

道士役ラム・チェンインは当時32歳。
観てた当時は50前後の貫禄だったけど後続の映画でどんどん若返っていき幼い俺は非常に混乱させられた。
あと併せて日本語吹き替えの青野武さんのハマリ具合も絶対に抑えておかなくてはならない。

モンのリッキー・ホイ=古川登志夫さんも最高だし、チュウサムのチン・シウホウもイケメン、ティンティンのムーン・リーもこの時が一番可愛く、キャストを見た時にもこの作品はラムさんのワンマン映画ではなく、全体的に画面映えしていて実に良い。
道士がいて、弟子がいて、なんとなくヒロインっぽいのがいてっていう構図はキョンシー映画では定番だがどうしてもこの「霊幻道士」のメンバーが一番しっくりきて他が物足りなく感じてしまう。

そろそろ何を書いてるかよくわからなくなってきたのでまとめよう。
中国の世界観(法術や怪異が本当にありそうな)と香港映画らしい体術を上手く融合させ、所謂ゾンビ映画にはいないゾンビと戦う専門家を導入し、キョンシー映画という一つのジャンルを確立した本作品は紛れもない傑作である。
そして30年以上経った今でも繰り返し視聴しているキョンシー馬鹿がここに一人でもいる、それだけで凄まじい影響を後世に残していると言えるだろう。

俺はキョンシー映画を観るならこの「霊幻道士」を絶対に推す。というかこれだけ観れば結局それで良いまである。
さらにキョンシー映画というジャンルを掘り下げて色々みて!とは間違っても言わない。

初記事なんで長くなったけどこの辺で。
キョンシーについての詳しい話はいずれ。